花ワン diary

紫陽花『マジカルチョコレート』

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“愛の重みと最期の選択・・・生きるとは?”

元気いっぱいのジャックラッセルテリアが、99歳のおばあちゃんとその娘と共に暮らしていた。

娘が仕事で留守の時間、このワンコは、ずっと前からおばあちゃんの見守り役として寄り添ってきたのだ。

ある日、ワンコが癌になった。

娘は助けてくれる獣医を必死に探した。

でも、なかなか見つからなかった。

それどころか終末期の状態だから治療は無意味だと言われてしまうのだった。

娘は泣き崩れた。

諦めきれずネットで治療をしてくれる獣医を探しまわった。

そしてようやく見つけたという。

それからは、毎週、自ら運転して高速で片道2時間の通院生活が始まった。

具合の悪いワンコだけじゃなく、母親まで乗せていく。

母親は8年かけて要介護4になった。

座位姿勢が不安定でおむつをした状態だ。

そういう人を長時間連れ回すのだから心配した。

『お母さんには負担が大きいのでは?』と言ってみると

『そんなことないわ、母はドライブが大好きなんだもの喜んで乗っていくんだから』と返してきた。

今は、認知症が進んで表情が乏しく笑わない。

何を聞いても頷くのみである。

どんな風に喜ぶのかな?

久しぶりにあたしもおばあちゃんの笑う顔がみたいと思った。

動物病院に到着すると 毎回、2時間の点滴。

その間、娘と母親は車の中で待つという。

『この子のためなら全然苦じゃない』そう言って張り切るようになった娘。

一方でワンコは不自然に太り始めた。

ステロイドの影響だからしょうがないのと娘は説明した。

とっくに歩けないが、やがて手足までパンパンになり、それすらも動かすことができなくなった。

お腹は、はちきれんばかりに膨れて重たそう。

それでもやっぱり点滴は続いた。

娘にとってはこれが"治療"なのだ。

だから愛情を込めてそれを続けていたんだと思う。

ただ、あたしにはワンコが苦しんでいるようにしか見えなかった。

結局、予後が半年ほど延びたものの息を引き取った。

やれることは精一杯してあげたと言って娘は晴れやかな表情をしていた。

そして『あなたのワンちゃんが病気になったら私に言ってね、うちの子の先生を紹介してあげるわ、名医だから』と言うのだ。

『ありがとうございます』とようやく口にしたものの''絶対に嫌だ''と思った。

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うちのムッちゃんにあんな無理なことはしたくない。

あたしは、穏やかに最期を迎えてほしいのだ。

その時期をどう過ごすのか・・・質にこだわりたい。

でも・・・愛すれば愛するほど、治療の限界というものを冷静に考えることって難しいのかもしれない。

この娘は、母親のその時にはどうするのだろう?

そんなに遠くない未来にその時は迫ってきている。

きっとワンコにしたのと同じように母親の口を無理矢理こじ開けスプーンを押し込み『ほら、食べて食べて』とやるんだろうな。

口の中に飲み込めない食べものがいっぱい詰まっていてもやるんだろうな。

 

それにしても後から聞いて驚いた。

半年間でなんだかんだと獣医に300万も支払ったそうだ。

もし本当ならそりゃ名医中の名医に違いない⁈

 

おばあちゃんがもっと元気だった頃、最期をどうしたいのかあたしは本人に聞いていた。

娘も一緒にそばにいて頷いていた。

だから"痛くない在宅医"をそろそろつなげてやりたいと思っている。

でも、人の気持ちは変わるもの。

最終的に娘がフルコースの延命治療を望むのであれば、それはそれ。

本人に意思表示ができなくなった今の段階では、家族が決めていくしかないのだから。

 

愛する家族やペットの最期に向き合うことは、人生の一部である。

やり方はどうであれ、その瞬間に真剣に向き合うことで愛と尊厳を大切にできるのかもしれない。

 

在宅看取りに関心のある方には、この本、「痛い在宅医」がきっと重要な示唆を与えてくれると思う。

 

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