前日光県立自然公園の中心に位置する横根高原へ足を運びました。
この一帯は『クマタカ』を頂点とする大きな食物ピラミッドが形成されています。
実は先週も訪ねています🤗。
標高およそ1300メートルのこのエリアは、あまり知られていないものの、豊かな自然と多様な生態系が広がる素敵な場所なのです。
いつも通り前日光ハイランドロッジからハイキングスタート!
ここに来るとのんびり草を食む野性シカの群れに挨拶するのがお決まりだった私。
ですが、今日は様子がおかしい!
シカが一頭も見当たらないのです。
どうしたかと思ってロッジの管理人さんに尋ねてみると、シカの数が増えすぎて生態系に影響を与え始めたため、18日から捕獲罠を設置したのだそうです。
驚いたのは、罠を仕掛ける二日前からシカたちがすでに姿を消してしまったということ。
シカの警戒心の鋭さには感心しましたが、それと同時に複雑な思いがこみ上げてきました。
シカ食害は深刻で山の生態系が変わり始めています。
高山植物は食べ尽くされ、そのせいで昆虫も減少しているように思います。
樹皮を剥がされ死んだ木々も前より多く見かけるようになりました。
『山がおかしい』と感じることが確かに増えたのです。
シカの命を守りたい気持ちはありますが、一方で自然の豊かな生態系も守らなければなりません。
環境とのバランスを保つためには必要な対策なのでしょうね。
この横根高原には、シカだけでなく、ツキノワグマやサルも生息しています。
ここでちゃんと飼われているのはのんびりとした牛だけです。
ハイカーも少なく、静けさと自然に包まれたこの場所は、秘密基地みたいでちょっと特別感があるんです。
今日は、秋の訪れを告げる植物にも会うことができました。
[ナンブアザミ]
[サギ草]
[ナンタイブシ(有毒)]
[マムシグサ]
でも、一番のお勧めの時期は5月です。
山全体が鮮やかなツツジに覆われ、咲き誇る花々の美しさはまるで夢のようです。
特に、『トウゴクミツバツツジ』の紫色は、私の心を毎年ときめかせてくれます🩷
この日は、最初に井戸湿原に向かいました。
ムッちゃんは、ここで早くも水分補給。
|
その後、五段の滝です。
この滝は、あまり迫力はありませんが、清らかな水が流れ落ちる様子は癒しそのものです。
滝から放たれるマイナスイオンに包まれ、心がリフレッシュされるような感覚になります。
いつ訪れても他のハイカーに出会うことがなく、ムッちゃんの大好きな水遊びスポットになっています。
沢山遊んでから『象の鼻』と呼ばれる見晴らし台へ移動しました。
ここでランチ休憩をとりました。
ただ、周辺に熊のフンが落ちていたので、注意が必要です。
『象の鼻』からは天気が良ければ群馬の山々や日光連山、さらには遠くに富士山まで見渡すことができます。
山の天気は変わりやすいので、訪れるのであれば最初に『象の鼻』に行くと絶景が見られる確率があがります。
また、このエリアには「岩海」と呼ばれる奇妙な花崗岩の集まりもあります。
横根山の基盤となる花崗岩が長年の風化や冷却作用によって砕かれ、谷を埋め尽くすことで生まれたそうです。
この景観は、氷河時代の地形変化を現代に残す貴重な自然遺産として文化財に指定されています。
最後に・・・この階段を登りきると横根山の山頂です。
この山頂は、残念ながら木々に囲まれています。
なので、眺望を求める人には物足りない感じがするかもしれません。
でも、ここは山と牧場、湿原に滝までがコンパクトにまとまっています。
短時間でこれほど多彩な自然を楽しめる場所はなかなかありません。
おまけに人がいないのですからまさに穴場スポットと言えるでしょう。
近くには「つつじの湯」や「スノーピーク」といった日帰り温泉施設もあり、ハイキングの後に温泉に浸かりリフレッシュするのも楽しみのひとつです。
次回は、どんな景色がみられるのかな?
今から楽しみです🩷
|