90歳のおばあちゃんには、特別な宝物がある。
それは、ブラザー製の工業用ミシン。
彼女が若い頃、わずか1万円で購入したものだ。
昔過ぎて購入年は忘れてしまったらしいが、その耐久性と信頼性はまさに時代を超越している。
おばあちゃんは、かつて制服のサイズ直しの仕事をしていた。
だから、このミシンはただの道具ではなく、彼女の生計を支え、多くの人々の日常生活に貢献してきた相棒なのだ。
何十年にもわたって、一度も故障することなく、厚手の布から繊細な素材まで、あらゆる仕事をこなしてきた。
残念ながら今では要介護2の状態となりミシンを使うことができなくなった。
でも、ミシンの前に座る彼女の目には昔の輝きが宿っている。
ミシンの存在は、単なる機械を超えて人生の中でいかい重要な役割を果たしてきたのかを物語っていた。
それは、健康や活動的な日々がいかに貴重であるか、そしてどんなに小さな日常の瞬間も、実はかけがえのない時間であることを思い起こさせてくれるのだ。
人生の変遷を受け入れつつ、それぞれの瞬間を精一杯生きることの大切さを、おばあちゃんとこのアンティークミシンから学んだような気がした。
北陸の被災地では、今も多くの方々が困難な状況に置かれている。
あのような辛い状況の中では日々を乗り越えるだけで必死なことと思う。
その一瞬一瞬を、遠くからでも心をこめて祈りたい。
どうか被災地の皆さんに温かな希望の光が差し込み安らぎと安心が早く訪れますように。合掌🙏
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