
私は古本屋を巡るのが好きで、ふらりと立ち寄っては気になる本を買ってしまいます。
何年か前のこと。
いつものように古本屋を歩いていたとき、『波動の法則』(足立育朗 著)という一冊が、書棚からふいに落ちてきました。
「なんで落ちてきたんだろう?」と首をかしげながらその本を戻そうとしたら、タイトルに妙に惹かれてしまい、そのままレジへ向かったのを覚えています。
その頃の私は、スピリチュアルにはまったく興味がありませんでした。
神様も、霊も、占いも。
そういう目に見えない世界のことは、自分とは関係のない話しだと思っていて、信じていませんでした。
「波動って何?」というレベル。
それでもなぜか気になって買ってしまったのです。
家に帰って読んでみたものの、当時の私にはやっぱり内容が難しくて、よく分かりませんでした。
そのまま本棚の奥にしまい込み、気づけば長い時間が経っていました。
そして昨年、なぜかふと思い立ってもう一度ページを開いてみたのです。
すると、以前は理解できなかった言葉が、今の自分にはすっと入ってくる。
ページをめくるたび、「これはすごい…」と胸の奥がじんわりと熱くなりました。
難しい数字や波動の理論は相変わらず理解できないのに、それでも心の深いところに響いてくるものがあるのです。
すべての物質は波動でできていて、私たちもまた波動を放つ存在。
その波動が変われば、世界の見え方も変わってくる── そんな核心が、30年以上も前に語られていたことに驚かされます。
本の中で語られている内容の中でも、特に印象に残ったものがありました。
「アトム(ATOMH)」という図形です。
自然界のすべての存在との調和をとる振動を受発振する──
そう説明されているその図形が、なぜか頭から離れませんでした。
そこで、ちょっとした好奇心から、軽い気持ちで試してみることにしたんです。
図形をコピーして、元気をなくしていた観葉植物の鉢の下に敷いてみました。

「まぁ、何も変わらないかもしれないけど」そんなくらいの、ほんの実験気分でした。
ところが──
数日後、植物に少しずつ変化が現れ始めました。
弱っていた葉にハリが戻り、やがて新しい芽が顔を出してきたのです。
「え、ちょっと待って…?」と思わず見直してしまうような変化でした。
その後もゆっくりと、でも確実に元気を取り戻していき、最終的には古い葉がすべて入れ替わるように、新しい葉へと生まれ変わっていきました。
成長期だったとはいえ、ひと月位であの状態からここまで変わるんだ…と、ちょっと驚きました。
もちろん、これが図形の影響だと証明することはできません。
けれど、“目に見えないもの”が確かに働いているのかもしれない──そう考えただけで、なんだかワクワクして楽しい時間でした。
足立さんは、スピリチュアルを神秘的に語るのではなく、宇宙の仕組みとして“読み解こう”とする姿勢を貫いています。
中性子や陽子でさえ“意識・意思を持つ存在”として描かれ、物質観そのものが静かに揺さぶられるような感覚があります。
本の中には、「病は本質に気づかせるためのメッセージ」という考え方も書かれていました。
病気と“戦う”のではなく、「なぜこれが起きたのか」と向き合い、感謝をもって受け入れたとき、私たちの波動は変化し、癒しが始まるのだと。
そして、私たちは本来“直観”とつながりながら自然に生きていたはずだと足立さんは語ります。
最初は「“直感”じゃないの?」と思ったけれど、読み進めるうちに、それはもっと深く、本質を静かに見抜くような“宇宙と響き合う感性”――“直観”のことだと分かってきました。
この本は、「本来の自分」を思い出すきっかけをそっと差し出してくれるような一冊です。
直観に従って行動することの大切さ、その感覚をどう確かめていくのかまで、優しく導いてくれます。
「出会った」というより、「出会わせていただいた」── 今では、そう思わずにはいられません。
長い時間を経て、ようやく読む準備が整った私を、静かに待っていてくれたような気がするのです。
この一冊に出会えたことに、心から感謝したいです。

