気管挿管の影響で喉を痛め、思うように声が出せなかった母。
それでも最近は、少しずつ声が戻り、肺の水も引いてきました。
途切れがちだった言葉が、時間をかけて、また一つずつ結ばれていく。
その流れを、静かに見守る日々が続いています。
いつものように面会へ行き、母の足にそっと触れながら、リフレクソロジーをしていた時のこと。

母が、ふと不思議なことを口にしました。
「ICUにいた頃、あなたと一緒に、ずっと雲の上を歩いていたんだよ」
その言葉に、私は思わず息を呑みました。
実は、母が苦しそうにしていたあの頃、私は毎晩、遠隔ヒーリングを送っていたのです。
母の魂に向かって、「ふーっ」と、やさしい風を吹き込むように。
重たくなったものが、少しずつほどけていくのを、ただ静かに見守るように。
その時、私が心に描いていたイメージ。
それこそが、「母と一緒に、雲の上を歩く景色」でした。
母には一度も話したことがなかったその光景を、母もまた、同じように見ていた。
これ以上、何かを確かめる必要はなくて……。
「届いていたんだ」。
今日の面会は、いつもより静かで、いつもよりやわらかくて。
言葉にならない安心感がゆっくりと部屋を満たしていくような、やさしい時間でした。
いつもありがとう。
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