子供の頃、ファーブルに憧れて昆虫学者を夢見たことがある人は少なくないでしょう。
しかし、それを実際に叶え、アフリカでバッタの研究に挑む科学者がいることを知っていますか?
前野ウルド浩太郎さんがその人です。
この本は、科学と冒険が絶妙に織り交ぜられた一冊で、とにかく面白いです。
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前野さんは、バッタの研究をアフリカの広大な大地で続けてきました。
お金や言葉の壁などものともせず、アフリカへと飛び出す行動力と勇気には心から敬意を表します。
そんな彼の生き方は本当に魅力的です。
アフリカの半砂漠地帯に生息するサバクトビバッタは、大発生すると数百億匹が群れを成し、東京都ほどの土地が一面バッタに覆われます。
想像してみてください🤗
東京がバッタの海になる光景を…。
農作物だけでなく、あらゆる緑を食い尽くすのです。
成虫は風に乗って1日に100キロ以上も移動するため、被害が瞬く間に広がります。
この被害は西アフリカだけで年間400億円以上にも及び、地域の貧困に拍車をかけているそうです。
筆者は、この現状を何とかしようとします。
移動力の弱い幼虫の段階で殺虫剤を散布することが防除の鉄則ですが、広大な土地を人の手でカバーするのは物理的に不可能です。
そこで前野さんは、殺虫剤を使わない防除方法を見つけるべく奮闘するのでした。
彼の七転八倒する姿は、科学者としての探求心と冒険者としての勇気が見事に融合しています。
読者としては、まさに冒険を共にしているかのような臨場感を味わえます。
また、ポスドクとしての苦悩や大干ばつのモーリタニアでの過酷な体験なども描かれており、非常に勉強になります。
バッタへの情熱だけでは生活していけない現実との葛藤や、研究者としての厳しい道のりがリアルに伝わってきます。
実は三年ほど前に読んだ本なのですが、今ちょうど夏休みなので、この機会に子供たちにもぜひ読んでもらいたいと思い紹介したくなりました😅。
通常版の他に、子供向けにふりがながついたバージョンも出版されています⇩。
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どちらも前野さんの情熱と冒険心が詰まった素敵な一冊です。
この夏、前野さんのように心底人生を楽しむということがどういうことなのか、そうやって生きていくことの素晴らしさをぜひ感じてもらえたらなと思います。
私もワクワクする気持ちを大切にして、これからも自分だけの特別な時間を大いに楽しみたいと思います。
続編の『バッタを倒すぜ アフリカで』も期待を裏切らないおもしろさです。
ぜひ読んでみてください。
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