面白くてあっという間に読んでしまった。
3時間あれば楽勝に読破できるよ^^。
今や100万人時代と言われている引きこもり。
この本は、親のあるべき姿を教えてくれている
有名中学に合格し、医師を目指していたはずの
20歳の長男翔太は、七年間も部屋に引きこもっ
たままなのだ。
このままでは8050問題に突入してしまう。
焦る親たちはいったいどうするのであろう?
手を変え品を変え子供にアプローチをかけるこ
とができるのは、力関係が親の方が優位なう
ちまでだ。ある時それが逆転し、暴力を振るわ
れるようになったらもう地獄。警察を呼んだと
ころで内輪揉めには関与しないから助けてなん
かもらえない。それどころか110番したことで
子供との関係はさらに悪化する。この手の親
は、そんなシンプルなことさえ分からない。
想像力が足りないんだと思う。夫婦で責任をな
すりつけ合い喧嘩するのだけは得意で 楽な逃げ
道ばかりを探す。
そもそも子供より世間体の方が大事だから自身
の身の安全が保障されているうちは、間違って
も警察なんか呼んだりしない。でも、ちょっと
でもそれが脅かされそうになると躊躇なく110
番できる人達なのだ。要するに死ぬ気で子共と
向き合う覚悟なんてないのだ。
自分が作った子供なのにね🥲
撃的だった。でも、父親は最後にようやく親と
しての責任を果たしたと私は思っている。
(殺害を肯定している訳じゃない!)
翔太の父親も最終的には逃げずにちゃんと子供
と向き合った。悩み奮闘する父親の心情が良く
伝わってきていつのまにか感情移入してしまっ
た。
子育てなんかしたことないのが親になるのだか
らうまくいかなくて当然。間違いがあったって
失敗したってしょうがない。自分を責める必要
はないと思う。だけど、少しずつ変わろうと努
力はしないと😘
それにはまず、親自身が人のせい、社会のせい
をやめて自分と向き合うことからなんじゃない
かなと思う。
仕事柄、引きこもりを抱えている家族と出会う
ことが多い。彼らをみていて私はそう感じるの
だ。いつまでもその位置にいたら霧が晴れてい
くことはないだろう。
この本では、引きこもるきっかけがたまたま
いじめだったが、実はもっと深いところ・・・
親子関係に目を向けて考えながら読むといい。
『将来は医者になってほしい・・・』
翔太の父親の願いだった。こんな風に子供にの
しかかる親は多い。本当は、ただ生きているだ
けで尊い存在のはずなのに・・・。
曖昧さを許さないし認めてもやれないのだ。
これでは強くて丈夫な心など育つはずがない。
この作品の最後は、希望が持てる終わり方にな
っている。作者の優しさが伝わってきて胸が熱
くなった。
いじめ、不登校、引きこもり・・・
現代社会が抱える 解決の糸口がなかなか見えな
い問題。その本質を考えさせずにはおかない
心を揺さぶられる傑作だった💖
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